男性の育児休業取得率は年々上昇傾向にありますが、令和3年度で13.97%です。全体の1割程度と、まだまだ取得していない男性の方が多い状況ですよね。
ですが実際に育休を取得してみると、男性も取得をした方がいいと強く感じたので、その時の体験談と感想をまとめました。
- 育児休業を実際に取得した体験談
- 育児休業期間のリアルな感想
- 育児を経験して分かった、男性にも育休が必要な理由
男性も育児休業を取得すべきと感じた理由4つ
結論から言うと以下の4つです。
- 育児は体力的にも精神的にもしんどい!
- 妻のストレス軽減が必要
- 産後はイベントが多い
- 赤ちゃんとのかけがえのない時間を過ごせる
理由を実際の体験談と感想を踏まえて解説していきます。
育児休業は新生児の時に取っていたので、その時の感想がメインになります。厳密に言うと、妻が退院した日から1月間です。妻は帝王切開で1週間入院したので、生後7日目からひと月です。
本当は2か月間の予定でしたが、上司から断られてやむなく1月間になりました。育休取得のためにやったことはこちらの記事で公開しています。
【理由1】育児は体力的にも精神的にもしんどい!
育児の体力的にしんどいところ
そもそも育休中って何してるの?どんな生活?
うちは母乳とミルクの混合育児でした。新生児は一度にたくさん飲めないので、2~3時間ごとに授乳・ミルクが必要になります。
新生児のお世話ルーティン(1日9回)
所要時間約5分。
授乳は片方10分×2回の計20分。ミルクは作って、飲ませる終わるのに約10分~15分。
ミルクが終わっても泣き続けていたらあやします。すんなり寝てくれたらお片付け。
ステップ1~3のルーティンを1日9回します。スムーズにいっても、1回あたり1時間はかかります。
つまり、1時間×9回で9時間。これだけで1日の約1/3が終わります。最低限のルーティンだけで仕事の労働時間8時間と並びますね。
- 赤ちゃんのお風呂(沐浴)
- 吐き戻しやオムツ漏れの対応
- 洗濯、料理、掃除などの家事全般
- オムツやミルクなどベビー用品の買い出し
これをすべてすると、余裕で仕事の労働時間越えです。1人でこなすにはとても無理があります。休憩時間もありません。
2人いれば交代で休むことが可能ですね。
想像以上につらい寝不足
昼間を乗り切っても、赤ちゃんのお世話は夜まで続きます。
低月齢のうちはまとまって寝てくれないし、夜も1~2時間おきに起こされ、なかなか寝てくれない…なんてことは当たり前。
とある日の夜対応の記録
時間 | 赤ちゃん対応 |
---|---|
21:00 | オムツ替え、授乳、ミルク 寝かしつけ(成功) 一緒に就寝 |
23:00 | オムツ替え、授乳、ミルク 寝かし付け(失敗) |
02:00 | 23時から寝かしつけ続行 オムツ替え、授乳、ミルク |
03:00 | 寝かしつけ(成功) 一緒に就寝するが、自分が寝付けず |
05:00 | オムツ替え、授乳、ミルク 寝かし付け(成功) |
07:00 | 起床 |
連続睡眠時間は最長でもたったの2時間!合計時間は6時間…だけど当然のように浅い眠りです。
- 寝かしつけで寝てくれないまま次の授乳・ミルク時間がきて寝れない。
- 赤ちゃんが寝てくれても自分がすぐに寝付けない時も。ようやく眠れそうなタイミングで赤ちゃんが起きる。
- 赤ちゃんが寝てる間にうなったり動いたりするのが気になって、横で深く眠ることができない。
- 浅い眠りを数回に分けてとっているだけなので、朝から眠くて体がだるい。
僕は初めて1人で夜対応した次の日の朝、眠すぎて全く動く気になれず…想像以上に辛かったです。
妻と赤ちゃんのお世話を交代し、昼まで寝かせてもらいました。
これが1人だったら、寝不足でも交代できずボロボロの状態で1日をスタートさせなければなりません。しっかり夜寝た状態と、夜対応から引き続いて赤ちゃんのお世話するのは全く違います。
育児の精神的にしんどいところ
疲労と寝不足は気力をうばっていきます。そこに追い打ちをかけるのが赤ちゃんの泣き声です。
新生児は何か生理的欲求があるから泣きますが、言葉がしゃべれないので泣いてる理由が分かりません。
ミルクもあげた、オムツも変えた、室内温度もばっちり!何が不満で泣いてるの?
あやしているうちに次の授乳時間を迎えて、まったく休憩できないことも多々あります。これを1人でやってると、想像以上に精神的ダメージを受けます。
ところが、2人でやると精神的負担がめちゃくちゃダウンします。精神的につらい時こそ、夫婦の声かけがすごく大事です!
少しでもギャン泣き対応を楽にしてくれたアイテムは、こちらの記事で紹介しています。
【理由2】妻のストレス軽減が必要
妻のメンタルケアが必要な理由
慣れない育児は大変で強いストレスに晒されますが、特に妻のメンタルケアは重要です。
なぜ妻の積極的なサポートが必要か?
妊娠中・産後のうつ病を引き起こしている要素として、この時期は何かとストレスが多い上に、周囲のサポートが不十分な状況が重なっている場合が考えられます。しかも妊娠・出産に伴う女性ホルモンの大きな変化は、脳がストレスに耐える抵抗力を低下させます。その結果ストレスを処理しきれなくなった脳が機能不全を起こし、ものごとを悪くとらえる傾向が強く出てしまいます。
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 「e-ヘルスネット」
つまり、いつもよりストレス耐性が下がっているところに、育児のストレスがかかるんですね。
妊娠中・産後のうつ病を引き起こしている要素として、周囲のサポート不足もはっきり指摘されています。
産後うつ病はおよそ10%の罹患率があり、気分の落ち込みや楽しみの喪失、自責感や自己評価の低下などを訴え、産後3か月以内に発症することが多いです。
公益財団法人 日本産婦人科医会 ホームページ
10人に1人が産後うつを発症します。決して他人事にはできない高い数字です!
実際の出産後の妻の様子
- 常に疲れていて、出産前に好きだったことを楽しむ余裕がなさそうだった。
- 帝王切開の傷が痛むようで、抱っこするのも辛そう。
- 赤ちゃんの吐き戻しやオムツ漏れなどイレギュラーなことが起こると、疲労困憊で表情も暗くなっていた。
- 何が正解か分からない中での対応に不安を感じていた。
実際に、産後の妻はいつもより疲れやすく、気持ちにも余裕がなかったと言っていました。いつも以上に妻によりそって、大変な時期を一緒に乗り越える必要があります。
お互い余裕がないと夫婦喧嘩も起こりやすく、赤ちゃんにもいい影響を与えません。
【理由3】産後はイベントが多い
実は、出産後はイベントが目白押しです。生後0〜1か月まででも、こんなにあります。これを寝不足と戦いながらしなければなりません。
- 出生届、児童手当、健康保険証等の諸々手続き
- 2週間検診、1ヶ月検診
- 内祝い選びと発送
- お宮参りの準備
- 小児科選び
出生届、児童手当、健康保険証等の諸々手続き
役所関係の手続きなどは期限が限られているものが多い上に、平日にしかできません。児童手当は申請が遅れると本来もらえる月の手当がもらえなくなってしまいます。
手続き場所も会社員と公務員で異なったりと、複雑なので調べる時間も必要です。
寝不足の状態で、いつ泣くか分からない赤ちゃんを連れて1人で役所に行くなんて、当然ムリです。
役所関係の手続きは、夫が中心になってやりましょう。
スムーズに手続きできるように、出産前に調べておくのが理想です。
2週間検診、1ヶ月検診
2週間検診が赤ちゃんとの初めてのおでかけになる方が多いと思います。
荷物も多く、なれないお出かけは非常に大変です。一緒に準備して、赤ちゃんとのおでかけに慣れておくことをおすすめします。
わが子の検診の時はコロナで付き添いができなかったので、僕は車で待機していました。予約していたのに2時間待ちで、病院の滞在時間は合計3時間でした。
3時間かかれば、妻は疲れて赤ちゃんは泣きます。僕は会計前に赤ちゃんを迎えに行って、車の中でオムツ替えとミルクの対応をしました。
付き添い不可でも、送迎して近くで待機してすぐにフォローできるようにしましょう。
内祝い選びと発送
出産すると親戚、職場、友人などからお祝いもらいますよね。
内祝いサイトも多く、商品選びも大変です。さらに内祝いで名入れサービスを利用すると発注から届くまで時間がかかるので、発注までに時間がありません。
少しでもめんどうな手間を減らしてくれる出産内祝いサイトをこちらの記事で紹介しています。
寝不足で家事をやるのに精いっぱいの状態でカタログとにらめっこしなければなりません。
最低限、自分の知り合いには自分で選んで送りましょう。
お宮参りの準備
- 両家の日程調整
- 神社の予約
- 写真館や衣装のレンタル予約
- お食事会の段取り
正直、出産するまでお宮参りって何?と思っていた方も多いのではないでしょうか。僕もそうでした。
初穂料って何?タイムスケジュールは?衣装はどこで手配すればいい?そこからスタートです。
おでかけ時間も長くなるので、途中の授乳やオムツ替えはどうするかも下調べしておきましょう。
まずはお宮参りで何をするか調べてから行動するので、時間もかかります。また、両家の日程調整もあるので動き出しを早くしなければなりません。
小児科選び
1か月検診が終わったら、次回の検診は小児科になります。いつケガや病気でお世話になるか分からないので、あらかじめ決めておきたいですよね。
僕たちは通院のしやすさと口コミをチェックして決めました。
育休を活用して、夫婦で協力しながら進めていきましょう!
【理由4】赤ちゃんとのかけがえのない時間を過ごせる
赤ちゃんの成長の瞬間を分かち合える
赤ちゃんの成長はゆっくりなようで、とても早いです。
昨日できなかったことが、今日はできるようになったりします。日々の小さな成長の瞬間を妻と一緒に喜べるのも、この時だけです。
そういった変化に気づけるのも、育休の良さです。この時期を逃すと、二度と見れない瞬間がたくさんあります。
子どもへの愛情形成の期間として重要
よく男性は女性より父親として自覚が芽生えるのが遅いと言いますよね。僕も父親になった自覚が芽生えたのは、出産後初めて抱っこした時でした。
そこから「可愛い」「愛しいわが子」という気持ちは、育休中長く一緒にいることで育ちました。
子どもへの愛情形成の期間としても、とても有意義でした。
育児休業中の感想と育休を取るべき理由まとめ
- 赤ちゃんのお世話はやることが多いので、夫婦交代で休むことが必要!
- 精神的につらい赤ちゃんのギャン泣き対応は、夫婦で声かけすることで負担を減らせる。
- 産後でストレスに弱くなっている妻のサポートは必須。
- 産後はイベントが多いので、夫婦で分担が必要。
- 育休期間は、今しか経験できない赤ちゃんとの大切な時間を過ごせる。
全体を通して、育児休業は本当に取得して良かったと思っています。
育児は、実際に自分が体験しないと分からない大変さがたくさんあります。夫婦の相互理解も深まりました。
また、大変さが分かっている分、仕事復帰をした後の育児のかかわり方も違うと思います。
ぜひこれからパパになる方、お子さんが産まれて1年以内のパパの方には積極的に取得してほしいです。
正直、1月ではとても足りなかったと感じています。
第二子の時はもっと長期間の取得を目指そうと思っています。